みなさま メリー・クリスマス。

『スペース・オペラ』43号です。

 

 忙しい師走12月に入りました。12月に入って急に雨振りの日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

 今年はパタパタした年だったなと振り返ります。環境の変化も去ることながら、人間関係から自分自身においてすべてが大きく変化した年でした。良い人達に恵まれて幸せな1998年もあと一月。やり残したことがないように振り返り、来年にむけての心の準備を始めましょうか。

  

 

阿刀田 高/幻の舟

魔性が宿る美しいものに、近づいてはならない。追い求めてはいけないと感じながらも、魔性にとりこまれていく・・・。
信長が唯一安土城を描かせた安土屏風。欧州で行方知れずとなったその絵が、数世紀の時を超え現代に悲劇を呼ぶ。美に潜む魔を描く幻想小説。〈安土城幻記を改題〉

林 真理子/本を読む女

万亀は本を読むのが好きなだけの平凡な女の子。しかし突然の父の死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜いた万亀。著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代描いた力作長編小説。

林 真理子/女文士〜おんなぶんし〜

もっと幸せになりたい。もっと認められたい。もっともっと、愛されたい。男を、結婚を、名声を、執拗に求め続けた女、眞杉静枝。最初の結婚からは自ら逃げ出した。愛人・武者小路実篤はついに応えてくれなかった。若い恋人・中村地平は逃げ、夫となった中山義秀も最後には背を向けた。死の間際まで艶聞にまみれたスキャンダラスな女流作家。こんなにも狂おしく哀しい女がいた。

 

 

 私は今月こんなものを読みました、では今回『林 真理子』にはまってしまいましたね。私は女性の書いた物であまりハマったためしがないのですが、「本を読む女」、「女文士」は楽しかったのです。『阿刀田 高』さんの作品は織田信長が絡んでいたため興味を惹かれたこともありますが、相変わらずの切り口がラストシーンに光っていました。
 この二人のものを読んでいれば当分は飽きないかな。今、現在読んでいるのはデジタル分野のものでこれもそのうち皆さまにご紹介したいと思います。・・・と、子育て本も。

 12月はどんな忙しさが待ち受けているかわかりませんが、忘年会と大掃除の合間を縫って読書にも励みたいな。

 

 

毎月1日発行の『スペース・オペラ』、これからもよろしくお願いします。

 1998.12.1.Vol.43