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こんにちわ 06年2月15日 きよみのページです。

 
 
白夜行〜幻夜 2006年2月ドラマ化の『白夜行』。せっかくの東野圭吾さんのトリックが暴露になってしまうドラマですが、これは仕方ないのかもしれませんね。1話がたまたまその終わりの週に再放送していたので拝見。なるほど、子供時代の話はなかなかでした。私のイメージからそう離れていなくて、子役の子が良かったってところでしょうか。金八先生が私の中では異色だったかな。原作を読んでいなければ良かったのかな?嘘くさい感じがイヤだったな。ま、いいや。あとはドラマを観ずに原作をもう一度。で、自分のHPを覗いてみると「新刊文庫で知り購入」の記事に驚き、『2002年夏』でした。え?そんなに昔だった?
 とにかく分厚い文庫『白夜行』を一気読み。そして間髪入れず、未読であった『幻夜』へ。この流れがどうしても気になっていて、2冊を上下のように読まなければいけないんじゃないか と勝手に思って、そうしたわけですが、少し違いましたね。
 『白夜行』の方が私自身救われるような気がするんです。彼女と彼が二人の本当の幸せを模索していたのではないか?というわずかな期待が感じられるような気がします。でも、『幻夜』はどうか。二人がというにはほど遠いのではないだろうか。彼女が彼女自身のために彼を導いて行ったのではないか? ラストシーンも結局自分の本当の姿を知るものが一人も居なくなったことで彼女自身安心だったのではないかと勘ぐってしまうんです。
 ラストシーンで彼が一人で罪を背負った『白夜行』が『純愛』だとするなら『幻夜』は計算された緻密な『計画』ですかね。愛…が無くもないんでしょうけど感じられなかったな〜。彼も彼女と死ぬつもりがとっさにここでしなくちゃいけない『仕事』を見つけたんじゃないかしら。それも彼女の計算に入っていたなら恐ろしや〜。
 
 

 

白夜行 東野圭吾/集英社文庫

 1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―─暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年・・・。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇!。

 

幻夜 東野圭吾/集英社

 決1995年、西宮。父の通夜の翌朝起きた未曾有の大地震。狂騒の中、男と女は出会った。美しく冷徹なヒロインと、彼女の意のままに動く男。女の過去に疑念を持つ刑事。あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も―。名作「白夜行」の衝撃が、今ここに蘇る。長編エンタテインメント。