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ハードボイルドは私の好きな種類でもある。一番はじめにハマった作品は『景山民夫』さんの『トラブルバスター』。読み始めたら止まらず、電車の中でも笑いを押し殺して読むのに大変苦労したという『ハードボイルド』だ。景山さん作品の出会いは年上の友達にごっそりいただいた景山本だった。あまり女流作家が好きでなく、父の影響で『阿刀田高』好きだった私に「じゃ、これ」って進めてくださったのだ。で、読み始めたらその1冊から景山ファンとなり彼の本を漁るようになったのだ。そんな景山ハードボイルドはスリルあり、おとぼけあり、本当に涙あり、笑いありの作品で私の中では「ハードボイルドってのは、男の中の男だね〜。泣いて笑っておとぼけて、スリルもあって、いいねぇ〜」なんて知ったかぶって。ハードボイルドの格好良さを見抜いたフリの私だ。他にもカッコイイ作品を読みながら、ハードボイルド好きになっていった。
今回もそんなハードボイルドにワクワクしながら、止まらない〜叫びの中読み進めていった。上巻が終わり、下巻に入るとそのスピード感を感じようとするのか、本を閉じたくなくなっていた。…が、下巻三分の一あたりでちょっとご都合主義が出てきて、ま、それは作品の展開上いっか。しかし、やっぱりどうしてもこの人を殺さなくちゃダメなの?ど〜しても?そこから何だかトーンダウンしてきちゃったな。かっこいいんだけど、切なくなっちゃって。ヤクザのちんぴらが殺されるのとちょっと違うよね。話はわかるよ。その原動力が必要だって。でも、殺さなくても良かったんじゃないかな〜?って。残酷でないハードボイルドが私は好きです。結構、東野圭吾さんとか石田衣良さんもハッピーエンドにしてくれるので嬉しいんだけどな。 それで、久しぶりに景山民夫さんでも読もうかなって、ネットショップへ行ったら驚きです。もう、ないんですね、景山民夫本。ええっ〜、って感じです。自分が持っている物が貴重品になっていたなんて。死んじゃうってそういうことなんですね。忘れられちゃうっていうか、なくなっちゃうっていうか…。 |
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