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こんにちわ 04年10月15日 きよみのページです。

 
 
 ここのページではあっくんママこと『きよみ』が読んだ本の紹介や独り言もときにはぼやいています。皆様の読書感想も『bbs』で待ってま〜す。おすすめ本などありましたら教えてください。

●猫と魚、あたしと恋 柴田よしき/光文社文庫
 どの女性も壊れていく。壊れていく過程を描いている。始めは壊れた人を見、何故そんなふうに生きるのか不思議に思うのだ。しかし、徐々にその深みにはまっていく。徐々にという言葉は当てはまっていないかな、ある日突然そうなって、ああ、きっとあの人もこんな風に感じていたのかと共感できるようになってしまう。『ある日突然そうなる』にはやはり過程があって、サークルのようになって始まりや終わりなく、その輪の中に世界があるようだ。いつの日か私も、あなたもはまっていくかも・・・。

●閉鎖病棟 帚木蓬生/新潮文庫
 精神科病棟にいる患者さん達の話というけれど、本当に優しい暖かい人たちばかり。こちらの私たちの方が汚れている感じがした。確かに、病気のせいで事件を起こしてしまったかも知れない。その人たちを庇うわけではないけれどこの本を読むと守ってあげたい気になります。後半に出てくる家族の患者に対する戸惑いは私たちの心そのものかもしれない。冷たいようだけれど、身近にいたとしたらやはり『そう』考えてしまうだろう。
 図らずも『死』を目の前にした人の話が続いて、私の中で『知らなかった世界』を少し垣間見たのだけれど壮絶なものがあるのではないかしら。と思いました。

 
 

 

猫と魚、あたしと恋 柴田よしき/光文社文庫

「猫は水が嫌いなのに、どうして魚が好きなんでしょう?女の子は辛いこと、苦しいこと、めんどくさいことなんかみんな嫌いなはずなのに、なぜ、いつも恋を追い掛けているのでしょう?」(「あとがき」より)
 不倫、万引き、覗き、睡眠障害・・・。日常を生きるために、恋をまっとうするために、普通に“壊れて”しまう“あたし”たちをストレートに描く九編。

柴田よしきHP http://www.shibatay.com

閉鎖病棟 帚木蓬生/新潮文庫

とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった・・・。彼を犯行へと駆り立てたものは何か? その理由を知る者たちは――。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。

新潮文庫 http://www.shinchosha.co.jp/bunko/