こんにちわ 03年9月1日 きよみのページです。

 
 
 ここのページではあっくんママこと『きよみ』が読んだ本の紹介や独り言もときにはぼやいています。皆様の読書感想も『bbs』で待ってま〜す。おすすめ本などありましたら教えてください。

 林真理子さんの2冊は2度目の本。何年か前に読んだときよりも今回の方が深く心に届いた感じだ。私自身が結婚、出産と経験し、『女』として違う角度から作品をとらえたのかもしれない。独身時代は結婚は恋愛に置き換え、子供は想像でしかなく、実感としてつかめずにいたのではないだろうか。結婚してみて初めて『男と女と家』の図がわかり、夫婦2人だけでなくとりまく家族のことなど身近に痛感出来たりする。子供のことに関しても手に取るようにその感情がわかったりする。欲しくても出来ない葛藤。『女としてどう生きていくか』というのは誰もが持つ、永遠のテーマなのではないか。専業主婦として子供を育てていく過程での戸惑いだったり、仕事と子育ての両立と言いながら何処かで迷いがあったりもする。子供がいないならいないで、どう妻として生きていくのか。あるいは結婚を選択せずに生きていく・・・。子供を授かった後で色々なことに気付く日々。林真理子さんの小説は私の心の中にダイレクトに言葉を投げかけてくれる。こんな生き方、あんな生き方。どんな生き方であっても力強くたくましく生きていきたいと感じさせてくれる気がする。

 推理小説は『東野圭吾さん』以来はまってしまったジャンル。コンビニ小説なのではっきりいって期待はしていなかったが結構楽しかったな。読み手の犯人探しを逆手にとるような結末で、どんなふうに解決していくのかな〜と楽しみながら読めた気がする。気持ち的に忙しかったので気軽に読めたのは助かった。

 
 

 

本を読む女/林真理子 新潮文庫

 万亀は本を読むのが好きなだけの平凡な女の子。しかし突然の父の死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜いた万亀。著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代を描いた力作長編小説。

http://www.shinchosha.co.jp/bunko/

女文士/林真理子 新潮文庫

 もっと幸せになりたい。もっと認められたい。もっともっと、愛されたい。男を、結婚を、名声を、執拗に求め続けた女、眞杉静枝。最初の結婚からは自ら逃げ出した。愛人・武者小路実篤はついに応えてくれなかった。若い恋人・中村地平は逃げ、夫となった中山義秀も最後には背を向けた。死の間際まで醜聞にまみれたスキャンダラスな女流作家。こんなにも狂おしく哀しい女がいた――。

http://www.shinchosha.co.jp/bunko/

三人目の容疑者/太田蘭三 祥伝社文庫

 錦鯉誘拐、身代金として五百万――これが事件の発端だった。つづいて多摩川土手で炎上した車から若い男の死体を発見。北多摩署の蟹沢警部補は、相馬刑事と共に靴底をすり減らしながら男の身許を洗う。ところが、若い女の全裸死体が発見され、にわかに捜査は混迷し始めた。やがて走査線上に浮かんだ三人目の容疑者とは・・・。粘りと執念が光る警察推理小説の白眉!。

http://www.shodensha.co.jp/