こんにちわ。3月15日 きよみのページです。

 
 
 ここのページでは『すくすくあっくん』以外でのかあしゃんこときよみについてのページになっております。子育て以外のお話(のつもり)です。

鳥人計画/東野圭吾。さすがは東野圭吾さん。事件の裏に潜むもう一つの物語が今回もきらり〜ん、光っていました。コーチが犯人になってしまった、楡井くんが本当に死んでしまった、の2つの原因は「あんたでしょーがよー」と彼女に怒りたくなってしまう結末。楡井くんが死んでしまったことについては本当に怒りがこみあげてきちゃいましたね。コーチだって本当は殺しちゃいないじゃんかー、と怒れます。真実は闇の中。ちょっと後味が悪かったけど作品の深さに免じて許しちゃおうかな。

天涯の花/宮尾登美子。あー、優しい風に包まれて、ゆったりした気持ちで読めました。久しぶりにこんな作品に出会えてちょっとホッとしました。ラストも先々まで幸せな匂いが続くような暖かな終わりで、作者も終わりまで描かずとも主人公の『珠子』が自分で未来を切り開いていくでしょう〜というような事を語っていましたが、本当にハッピーエンドに導かれるでしょう。宮尾登美子さんはNHK等でドラマ化されたりしていますが、こうして作品にふれる方が気持ちがいいことがよくわかりました。

張込み/松本清張。この表紙が、あっくんに言わせると「わるいおじさんのお話」なんだそうで。確かにこの『張込み』というか「覗き見」みたいな感じで、おっさんが怪しげだ。勘違いしていたのは、何度もドラマ化されているので長編の作品かと思っていたこと。読んでみて、あまりに短かったので「え?」という感じだった。と、同時にこの短いページの中に色々なことが凝縮されて見事に重い作品に出来上がっている素晴らしさ。さすがは松本清張さん。この人の作品では時刻表のトリックが有名かと思っていましたが砂の器を読んだときも奥の深さ、人間観察の鋭さに驚かされましたっけ。面白かったですよ。

幸福の手紙/内田康夫。ドラマでお馴染みだったんですね。気がつかなくってすみませんでした、浅見さま。内田康夫さんのファンになっちゃいました。初めての作品でしたけど読んでいて著者が女性?かと思わせるような物腰優雅な雰囲気が作品の中にも漂っていて、浅見さん役の「榎本さん」がまただぶってきていい感じでした。浅見さんのファンクラブがあるとか。確かに優雅な感じにファンは多いと思います。頭の良さといい、身のこなしといい、柔らかい感じがしますね。内田康夫さんはまた読んでみたいです。

神の子どもたちはみな踊る/村上春樹。む、むずかしい〜。短編集で構成されていて読みやすいんですが、読む、と言うよりは『闘っている』に近いかな。「限りなく透明に近いブルー」を読んだときに思わず吐きたくなっちゃう思いをしたことがあって、この人の作品って本当に「躁」と「鬱」が交互にやってきて苦しめてくれる。笑ったり、気持ち悪くなったり・・・。作品自体は嫌いじゃありませんが、『黙示録』という言葉が本当によく合います。

 
 

 

鳥人計画/東野圭吾 新潮文庫

日本ジャンプ界期待のホープが殺された。ほどなく犯人はコーチと判明。一体、彼がどうして? 一見、単純に見えた殺人事件の背後に隠された驚くべき「計画」─踏切のタイミング、空中姿勢、風圧、筋力、あらゆる要素を極限まであの男のデータに近づけよ。「計画」は極秘のうちに進行しつつあった・・・。拘留中の犯人が密告者を推理する、緻密極まる構成の本格スポーツ・ミステリー。

東野圭吾ホームページ
http://www.keigo-book.com/

天涯の花/宮尾登美子 集英社文庫

あたりを払って誇り高く咲くキレンゲショウマ。「私はこの花に会うためお山さんに来たのではないか」珠子は心打たれた。吉野川沿いの養護施設で育った珠子は、十五歳で霊峰・剣山にある神社の神官の養女となる。清澄な自然を背景に、無垢な魂を持ち続ける少女の成長と恋を描き、新鮮な感動を呼ぶ長編

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張込み/松本清張 新潮文庫

推理小説の第1集。殺人犯を張込み中の刑事の眼に映った平凡な主婦の秘められた過去と、刑事の主婦に対する思いやりを描いて、著者の推理小説の出発点と目される『張込み』。判決が確定した者に対しては、後に不利な事実が出ても裁判のやり直しはしない“一事不再利”という刑法の条文をヒントを得た『一年半待て』。ほかに『声』『鬼畜』『カルネアデスの舟板』など、全8編を収録する

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幸福の手紙/内田康夫 新潮文庫

「幸福の手紙」が事件の発端だった。手紙を受け取った雑誌編集者・典子の周辺で、奇怪な事件が続いた・・・。バラバラ事件が発生した井の頭公園で、同業者・長谷の遺体が見つかる。半月前に彼は「半分の馬」という謎の言葉を典子に呟いていた。さらに、彼女に「幸福の手紙」を送りつけたとおぼしき人物まで殺された・・・。浅見光彦は「半分の馬」という言葉に事件の核心を嗅ぎつけ、北海道へと急いだ。

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神の子どもたちはみな踊る/村上春樹 新潮文庫

1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに破壊させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる・・・。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた─。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録

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