こんにちわ。3月1日 きよみのページです。

 
 
 ここのページでは『すくすくあっくん』以外でのかあしゃんこときよみについてのページになっております。子育て以外のお話(のつもり)です。

水に眠る/北村薫。本当に水の中のような文章というか、掴めない感じ。現実と非現実の間をゆらゆらしているような気分になって。不思議な感じです。『スキップ』を読んだ時にもそれは思っていて、この作品は表題にもなっているので余計にそんな気分がしちゃったかな。

みんなの秘密/林真理子。ああ、さすがに林真理子さん。短篇集なのに長編を読んでいるきがしちゃった。一つ一つにきちんと距離があって、きちっと計ってある感じ。「第三十二回吉川英治文学賞受賞作」っていうけど本当に読んで良かった。文章が女性っぽくなくて好きなんです。こういう言い方変かな?男臭さもないけれどすっきりしていて読みやすい・・・気がするっていうか。この人の作品も安心して入っていけるので大好きです。

あやかしの声/阿刀田高。阿刀田さんは、もう、本当に。長年読み続けていますが『ぴりり』といいですね。最近の作品は熟年のゆったり感というかしっとりした感じが出てきたように思います。ちょっと昔の作品とはまたひと味違った人間観・・・というか。楽しめました。

マリー・アントワネットの首飾り/野口百合子訳。『ベルサイユのバラ』でもご存じ、首飾り事件。やはり真実は闇の中なので『物語』なのですが、この作品には『ジャンヌの言い分』も含まれているような気がしました。それにしてもジャンヌにだけお咎めが、というのがやっぱり可愛そうだな。ほとんど『ベルバラ』の内容なので頭の中はあのオスカル様がチラチラ。本文中のマリー・アントワネットのヘアースタイルに「鳥かごに入った鳥を乗せているかつら」とあったが、随分とまあ。

堪忍箱/宮部みゆき。実はこの本は何回かにわけて読んでいたので、読み終わったのがここ、というのでこのページに載せます。短篇集。好きな作品は最後の一編かな。あとはちょっとあれ?っていう気がした。今流行りの『宮部みゆき』さんだけど良い作品に巡り会っていないなあ〜。

 
 

 

水に眠る/北村薫 文春文庫

見合い話に苛立ち、後輩の若さがふと眩しい美也子の淡々とした日常が鳴り響く謎の電話。そして一年が過ぎて・・・「恋愛小説」。同僚に連れていかれた店で飲んだ水割りの不思議な味。ある切ない夜、わたしはその水の秘密を知る・・・「水に眠る」。人の数だけ、愛がある──様々な愛の形を描く短篇集

http://www.bunshunplaza.com(文春ウェブ文庫)

みんなの秘密/林真理子 講談社文庫

倉田涼子、三十四歳。キスに対して少女よりもおぼこな人妻は、不倫という甘い蜜を手に入れた。キスだけの淡い恋に酔いしれ、その先の関係におそれおののくが・・・「爪を塗る女」。何かを隠して生きている妻、夫、娘、愛人たち、人間関係の密やかな喜びと切なさを描く連作小説集。第三十二回吉川英治文学賞受賞作

http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bunko/

あやかしの声/阿刀田高 新潮文庫

わけもなく他人に恐れられる恐怖。自分が誰か、どこにいるのか急に分からなくなる恐怖、悪い予感が次々的中してしまう恐怖、夢に隠された潜在意識がしだいに形を取ってくる恐怖、古い書物の呟きが迫ってくる不可思議な恐怖──名手が繰り出す奇妙な色合いの恐怖11種は、あなたの心に複雑な波紋を残します。あなたを悪夢に誘う“あやかしの声”が、ほら、どこからか、聞こえてきますよ

http://www.shinchosha.co.jp/bunko/

マリー・アントワネットの首飾り/エリザベス・ハンド 野口百合子訳 新潮文庫

1785年7月12日、マリー・アントワネットに王室御用達宝石商から手紙が届いた。文面は160万リーブルの首飾りを王妃が買い上げたことに感謝する内容。身に覚えのない彼女はまったく理解できず、手紙を焼き捨ててしまう。ルイ王朝最大のスキャンダル、〈王妃の首飾り事件〉の発端である。フランス革命に火をつけ、王妃を断頭台に送った一大事件の首謀者は、孤独で幸薄い一人の女だった

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堪忍箱/宮部みゆき 新潮文庫

蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかる・・・。決して中を見てはいけないというその黒い文箱には、喪の花・木蓮の細工が施してあった──。物言わぬ箱が、しだいに人々の心をざわめかせ、呑み込んでいく表題作。なさぬ仲の親と子が互いに秘密を抱えながらも、寄り添い、いたわり合う「お墓の下まで」。名もなき人たちの日常にひそむ一瞬の闇。人生の苦さが沁みる時代小説八篇

http://www.shinchosha.co.jp/bunko/