『ピタッ』と変身、ブラックマン

〜05 変身せず編〜

 きよみママのところへあつやがやってきた。
「あつの黄色いクルマ、こわれちゃったから治すように言ってください。お願いします」
(治すように言ってください??)きよみママはちょっと困って「誰に言うの?」と聞くと「こわれちゃったから治すように言ってください。」と同じ答えが返ってきた。きよみママは「そっかー、言えばいいのか」と言うと「そう、言えばいいんだよ」と、相変わらずタカビーなあつやだった。

 あつやの中でどんな考えがあったのだろうか。
「ほらねー」と案内された部屋には逆さに置かれた黄色い手押しのクルマ。
「ここがこわれててねー、タイヤもねーいっこしかないんですー」
けど壊れてはいない。誰に説明しているのか。
「治してくださいなー」自分自身の言葉にあつや自身が「はい、わかりましたー」と答えていた。
 きよみママは、ふ〜、あっくんの遊びだったのか〜 と安心したようだ。

 あつやはそのすきに『ブラックマン』に・・・変身しなかった。?。何故だ。それは、こんな修理くらい「トンカン、トンカン、トンカンカン」とあのボブのように直してしまえるからだ。いや、本当に直しているならともかく、遊びなのだ。遊びなのだからお茶の子サイサイっていうことだろうか。ちなみに『あのボブ』とは『ボブとブーブーズ』のボブだ。子どもってどうして乗り物に顔が付いているのが好きなんだろう。『トーマス』や『ボブとブーブーズ』。子どもたちは大好き。『ボブとブーブーズ』はちょっと変わったミキサー車やクレーン車、トラック、ショベルカーなどに顔が付いている。
 とにかく、そんなわけで変身せずに遊べてしまった。たまにはこういうこともあるね。次回変身技を使うのはいつのことだ。

 待ってるぞ。『ブラックマン』。

 

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